春香「なんで私って『さん』付けなんですか…」

俺「暗い顔してなんだいきなり。あと誕生日おめでとう」
春香「ありがとうございます…それにしても、どこにでも居る普通の高校生アイドル天海春香ちゃんがなぜ年上のファンからすら『さん』付けで呼ばれるのか…なんででしょうね…プロデューサー…」
俺「普通に呼び捨てとか『ちゃん』付けの人もいるじゃないか。つまり呼び方はファンによって色々ってことだろ」
春香「ふふ…言うと思ってました。
 でも実はそうじゃない…そうじゃないですよね…」
俺「え?」
春香「だって他のアイドルの子はほとんどブレてないんですもん…少なくとも実年齢や本人のイメージからかけ離れた呼ばれ方はしない…」
俺「そ、そうでもないぞ。律子とかたまに『りっさん』とか『さん』付けで呼ばれたりするだろ。…まあ、それはそれでイメージ通りという話もあるが…」
春香「ふふ…いいんです。ごめんなさい、本当はわかってるんです。二次創作のイメージとか…というか公式ネタですら色々いじられましたからね私…
 そういうことなんですよね…」
俺「…春香…」
春香「プロデューサーを困らせちゃいましたね…ほんと、ダメな子ですよね、私……。でも、愚痴りたくて…
 本当は、悪いことじゃないんですよね。私は無色で、だからこそ多様なイメージを持てるアイドルなんだって…詳しくはマスクの人と卑猥な名前の人の動画とか見ろっていうか…」
俺「最後のほうは意味がわからないが、お前が悩んでるのはわかったよ」
春香「……」
俺「でも、春香」
春香「…はい」
俺「少なくとも俺は春香のこと、ずっと春香って呼ぶよ。
 今の春香も、春香のなりたい春香も、そうでない春香も、ずっと好きでいるよ」
春香「プロデューサー…!


 それってつまり、結婚しようってことですよね!
 わかります!!!!!!!!!!!!!!!」


俺「え?ああ?う うん?
 このオチ前にも見たような?」


なんだこの色々なキレの悪さは。おしまい。